漢方つぼ物語  (115)
地 機(ちき)

 〈高校入学予定者説明会〉

 みなさん、こんにちは! 私はこの学校のPTA会長です。このたびは難関を克服されての合格、まことにおめでとうございます。また入学式でお祝いのご挨拶をさせて頂きますが、この場ではPTAの代表者として、すこしお時間を頂戴してお話をさせて頂きたく存じます。
 さて、みなさんは「PTAの法則」というものをお聞きになったことはおありでしょうか? えっ、一度もない? 煮て食ったこともなければ焼いて食ったこともない。そうですか。わかりました。それではご説明申し上げましょう。

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 まずは第一法則。「経験の法則」と申します。
 曰く、「お布施は寺を豊かにし、経験は人生を豊かにする。」
 どうかPTA活動で様々な経験をして頂いて、人生を豊かに彩って下さい。

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 次に第2法則です。これは「ドッヂボールの法則」と申します。
 曰く、「逃げそこなって当たった球は痛いが、真正面で受けとめた球は心地よい。」
 この後、ことによりますと個別にPTAへのお手伝いや役職をお引き受け頂けませんかと、お願いに上がるかもしれません。クラスもしくは地域でのお役目をご依頼申し上げるかもしれません。投げられた球を、どうか真正面でドンと受け止めて頂きたく存じます。自信のないことをするのが勇気、経験のないことをするのはチャレンジ、そして「放っておけない」・「愛する子どもの幸せな成長ために、なにかしなければ」との思いで力を捧げるのは志の高さです。
 PTAはみなさまの高い志に裏打ちされた勇気とチャレンジを歓迎します。お子さんはそんなお父さん・お母さんの後ろ姿をきっと見ていますよ。

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 最後の法則、第3法則に参ります。
 曰く、「PTA最大の武器、それは…」
 さて、何だと思われますか? 答を申し上げます。それは笑い、笑顔です。第3法則は「笑いの法則」なのです。笑いは遺伝子をスイッチ・オンにして、潜在的な能力を引き出します。もう一つ遺伝子にスイッチを入れるものがあります。それは感動です。感動は不可能を可能にします。英語で「出来る」というのを“CAN DO(キャン・ドゥー)”といいますよね!

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  PTAの3つの法則を紹介したところで、次は私たちPTAの合い言葉を2つご紹介しましょう。
 まずは、「ご無理のないように」です。
 なんと思いやりに満ちた言葉でしょう。私は2年間、会長をつとめさせて頂く間に、仲間の役員さんたち、校長先生、教頭先生、PTA担当の先生方、また事務長さんから何度この温かい言葉をかけて頂いたことでしょう。でも私はそう言って頂く度にこう思いました。(そもそも私の如き無力な者がPTA会長をお引き受けすることが「無理」であった。その無理を周りのみなさんの力添えで可能にして頂いているのだから、それ以上の無理など存在しない)と。
 というわけでPTAの合い言葉その2は「やってできないことはない」です。
 百花繚乱の女子プロゴルファーの世界で並み居るライバルを蹴散らし一昨年、史上最年少の年間賞金王に輝いた上田桃子選手。彼女は既に小学生の時に親に面と向かって、「私、プロゴルファーになる!」と宣言したのだそうです。  
 さて、みなさんが桃子さんの親であったら、どう言ったでしょう? 子どもの夢を無惨に打ち砕く3点セット、というのがあります。まず「絶対無理!」、ついで「お前に出来るわけがない」とたたみかけて「世の中をなめるな!」でとどめを刺します。これでたいがいの夢をしぼませることができるそうです。
 桃子さんのパパはどう言ったか。ちょっと節を付けて、さきほどの合い言葉を言ったのだそうです。「やって・できない・ことはない!」と。桃子さんはこの言葉に背中を押されて、華やかにプロゴルファーへの階段を上り続けます。でも時にスランプに陥ったり、もうダメかも、とうちひしがれたりした時に、耳元にお父さんの呪文が幾度もよみがえったのだそうです。
「やって・できない・ことはない!」と。

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 P・T・Aとは「ぱっと・楽しく・集まる会」、ぱっと楽しく集まって悩みを打ち明け合い、そして大笑いして楽しく意義深い時間を共有いたしましょう!
 みなさまのご参加を心からお待ちしています。

〔地機(ちき)〕足の親指から内股・おなか・胸を上り脇に至る脾経の第8穴。
 取穴:脚の内側、足首とひざのほぼ中間(わずかに上)で骨の内へりにある。
 治効:やる気を養うのは脾の経絡の働き。脾経の重要なツボの一つが地機。

《作者から一言》 娘は3月2日に高校を卒業、4月から大学生です。私は、5月の総会で次の会長さんにバトンタッチするまで「居残り」。2年間、PTA会員と役員・委員仲間、そして校長先生はじめ先生方に支えて頂いて、多くの経験と想い出を積み重ねることができました。まさに「感慨無量」です。(宮本)



上は地機の図

 ●この文書は、当会会員である、宮本年起氏の創作です。

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