漢方つぼ物語  (125)
解渓(かいけい)
〈 同窓会 〉



 平成22年は高校時代の同窓会で幕を開けた。和歌山県立桐蔭高等学校を昭和46年に卒業した仲間達が寄り集う学年同窓会。4年に1度、ワールドカップの年に催すというお約束だ。
今回のサプライズは同窓生で母校の現職音楽教諭をつとめる中村(旧姓・木本)淑子さんと、直近のPTA会長であった私が、40年前と寸分変わらぬ詰め襟・セーラー服姿で(!?)声高らかに読み上げる、オープニング・メッセージである。

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宮本:桐蔭23期の仲間達、こんにちは!
中村:4年に一度の学年同窓会に、ようこそ!
宮本:母校桐蔭はその前身である和中の開校から満130周年を迎えました。
中村:明治12年に旧制和歌山中学校がスタートしたのです。
宮本:大政奉還によって無血革命を果たした明治新政府。しかし旧士族階級への年金支払いのために財政は火の車でした。
中村:明治10年に起こった西南戦争により士族階級は没落し、ようやく明治政府の財政的基盤が整ったのです。
宮本:そんな時代背景の中、和歌山中学校は創立されました。
中村:開校まもなく入学した和中卒業生の中に、南方熊楠の名が見えます。
宮本:熊楠は慶応3年、1867年の生まれで今生きていれば142才。
中村:3年前に開校した和歌山県立桐蔭中学校1年生で早生まれの者は12才。
宮本:熊楠との年齢差はジャスト130年。
中村:それが「和中・桐蔭130周年」の証です。
宮本:ひるがえって、われわれ桐蔭23期卒業生は、昭和27年度に生まれた世代です。
中村:昭和27年4月に米軍による占領が解け、昭和28年2月にはわが国で最初のテレビ放送がスタートしています。
宮本:日本とアメリカの関係は両国の政権交代により新しい局面を迎え、またテレビは地デジの時代に突入しようとしています。
中村:今回の同窓会は「50代最後の同窓会」となります。
宮本:母校の輝かしい歴史に思いを馳せ、テレビと共に歩んだわれわれの時代を顧みながら、旧交を温めましょう。
中村:桐蔭23期同窓会、これよりスタート致します!

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 オープニング・メッセージが終わると同時にクラッカーが一斉に炸裂した。かくして同窓会は冒頭から大いに盛り上がった。前回に引き続いての山本隆造君の司会は堂に入ったものだ。
 同窓会のメインイベントは参加者の近況報告。幹事の宮崎孝夫君が開会前に手早く撮影した参加者全員の顔写真と卒業アルバムの写真とを横並べにして、スクリーンに映し出し、その前にひとりずつ登壇する。ヤジと笑いが絶えない。制限時間(1人1分)超過を知らせるベルにも気付かず熱弁を奮う者数知れず…。
 今回の同窓会では同級生同士のカップルが何組か参加した。その中に車いすの夫とその妻がいた。夫が初孫誕生を嬉しそうに報告したあと、妻が言った。
 「8年前に夫が病に倒れ、たいへんでしたが考えようによっては違うタイプの人と再婚したみたいなもので、これもまたいいかな、と。お勧めはできませんが…。」

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 同級生には医師が多数おり、これからの人生を健やかに過ごすために企画された「23期のエリートドクターによる健康講座・健康相談コーナー」が有益であった。集約すれば運動・栄養・休養に尽きるようだ。歩くのがいいらしい。
 またわが期はエンターテイナーも事欠かない。中村浩一君は達者なテーブルマジックで楽しませ、国語教諭からプロのシャンソン歌手にと華麗なる転身を遂げた菅じゅん子(旧姓・上田順子)さんは、シャンソンコンクール全国大会で歌唱賞に輝いた「幼い頃」など4曲を熱唱して喝采を浴びた。また楠山勝弘君はギターとハーモニカの1人演奏という離れ業と、あの頃はやったフォークソングの弾き語りを披露し、われわれがフォークソング全盛の時代に学生時代を送ったことを想い起こさせてくれた。

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 午後2時から始まった一次会は午後5時から同じ会場で席替えをして二次会に入り、午後7時からは代表幹事の島村辰彦君の会社のホールに場所を移して三次会に突入。午後9時に散会しかけたところに今回、家庭行事で参加できなかった北村(旧姓・中原)郁子さんの登場でまたまた盛り上がり、なんと11時過ぎまで飽きることなく歓談した。かくて青春はこの一日に凝縮して蘇った。

〔解渓(かいけい)〕足三里同様、健脚・健胃と冷えのぼせ除去に有効なツボ。
 取穴:膝下の足三里から更に下がって、足首(足関節)の真正面に位置する。
 治効:歩くことが健康にいい理由の一つはこのツボを刺激するからだと思う。

《作者から一言》写真の左側はもちろん私です。カツラしています。学生服は母校の生徒指導室でお借りしました。前PTA会長の特権です(?)。(宮本)





上はオープニング・メッセージと解渓の図

 ●この文書は、当会会員である、宮本年起氏の創作です。

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