漢方つぼ物語(148)
天宗(てんそう)

〈 PTAの想い出 その1 交響曲「桐蔭」〉

 このたび非力を顧みず、PTA会長をお引き受け致しました。
 桐蔭PTAについての私のイメージ、それは「合唱つきの一大交響曲『桐蔭』を一年がかりで奏でる交響楽団」というものです。
 四部会を楽器の各パートになぞらえるとすれば…。 
 節目節目に心地よい音響を響かせる打楽器は環境整備部。
絶妙のハーモニーで主旋律を奏でる木管楽器・金管楽器は指導部・学習部。そして低音部を支える弦楽器は総務部。
というところでしょうか。
 その演奏をバックに、声高らかに歌い上げるコーラス団は、委員さんがリーダーシップを担う地区・学級の保護者の皆さん。校長先生・副校長先生はじめ先生方や職員の皆さんも加わってくれています。 
 PTA総会で序曲を奏で始めたこのシンフォニーは、委員・役員総会、学年別懇談会、地区懇談会と次第に盛り上がりを示して、夏休み明けの9月に催されるバザーに至ってとりわけ大きな山場を迎えます…。

***

 と、ここまで書いてきて私は、たいへん恐ろしい事実に突き当たりました。私の果たすべき役割は、まさにその大楽団・大合唱団を前に指揮棒を振ることなのでした。
 とんでもないことです。告白致します。なんと私は、カスタネットさえ正確なリズムで叩くことができません!
 では歌はどうか? 
 こんなことがありました。家族で、さる合唱団の発表会を聴きに参りましたときに、「みんなで歌いましょう」というコーナーがあったのです。私も気持ちよく大声を出して歌いました。そのとき、娘が私の耳元でこう申しました。
 「お父さん、自分の声、聞こえてたやろ?」
 「うん、聞こえてた。こんな大勢の中でも、いい声は区別がつくものやなあ。」
 能天気にそう応えた私に、娘は素っ気なくこう申したのであります。
 「それ、音が外れているからやで!」

***

 先般、夜回り先生・水谷 修さんが和歌山市に来られ講演されました。
 お話を終えた後、聴衆の中からこんな質問が出ました。
 「悪や薬物の魔の手が及ばないようにするにはどうしたらいいですか?」
 その質問に対する回答は次の通りだったのです。
 「それは笑顔です。いつも明るくにこにこしている人に、悪はつけいることができません。」
 笑顔にそれほどの力があるなら、PTA活動を盛り上げる力もあるはずです。
 これから一年間、タクトさばきの未熟さは平にご容赦頂いて、笑顔いっぱいでこの大役を果たして参ります。
 皆様のご協力を、心よりお願い申し上げます。
    桐蔭中学校・高等学校PTA会長・体育文化振興会会長 宮本年起

〔天宗(てんそう)〕腕の手の甲側・小指寄りから肩、顔に至る小腸経第11穴。
取穴:肩甲骨のほぼ中央、肩甲棘中央と肩甲下角を結ぶ線の上1/3の位置。
治効:肩関節周辺の筋肉の弾力を回復する。タクトさばきを円滑にする特効穴。

《作者から一言》平成19年5月に、私はいきなり次女・知佳の通う和歌山県立桐蔭高等学校のPTA会長に就任しました。おりしも中高一貫教育をめざして和歌山県立桐蔭中学校が開校した春でした。中高合同で新たなスタートを切ったPTAのリーダーとなったのです。私の母校でもあるこの学校に、このようなかたちで関わるとは思ってもみなかったことでした。この文章はPTA誌に新会長の挨拶として掲載されたものです。突然、未知の組織に飛び込んだ戸惑いと、それでも自分の特性を発揮して、なにか貢献したいとの思いがにじみ出ています。文中には「これから一年間」とありますが、結局、娘が卒業するまでこの役職をつとめることになりました。2年間の新鮮で楽しい“悪戦苦闘の日々”が、ここから始まったのでした。(宮本)



上は天宗の図

 ●この文書は、当会会員である、宮本年起氏の創作です。

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