漢方つぼ物語(158)
隠白(いんぱく)

〈 法人認可50周年記念行事その1〜祝賀会〜〉

 平成24年6月3日の日曜日、和歌山市屋形町のルミエール華月殿において、ある業団体の法人認可50周年の祝賀の式典ならびに祝宴が挙行された。大きな節目ということで、この催しは当初、内外の関係者を招いてかなり大規模に行われる予定であった。そのために10年も前から費用が積み立てられていたのだ。しかしながら、待ちに待った行事は、結局のところ「身内」だけでごく慎ましく催された。
 そのわけは、その前年に起こった大きな災害にあった。平成23年3月11日、東北・関東を襲った大地震・津波、また同年9月3日、紀伊半島に甚大な被害をもたらした台風12号。50周年に浮かれる気分ではなくなった。
 そこで、これら二つの災害被災者への義援金として、50万円と30万円、都合80万円を、積み立てた祝賀資金の中から拠出した。

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 「たいへんお待たせいたしました。ただ今より、一般社団法人和歌山県鍼灸マッサージ師会 法人認可50周年及び一般社団法人設立記念式典を開会いたします。最初に会長・井畑邦彦よりご挨拶申し上げます。」
 事務職員・溝端栄美子の司会で祝賀の式典は幕を開けた。会長の挨拶。
 「皆さん、ご出席有難うございます。盛大に催すことを予定しておりましたこの式典は、このように顧問の先生方と会員とで縮小して催すことと致しました。ところがびっくり仰天でありまして、百年を優に超える当会の歴史において創立以来、初めて県知事のご臨席を賜りました(大きな拍手)。そういうわけで、今日は和気藹々(わきあいあい)と、ひとときを過ごして頂きたいと思います。」
 続いて、副会長・宮本年起より、当会の沿革紹介。
「当会の始まりは明治初期、維新政府が西洋医学の導入に躍起となり、漢方医廃止に赴いた時代に遡(さかのぼ)ります。次第に結束を深めた業の先輩たちは、昭和初期に、任意団体として和歌山県鍼灸マッサージ師連合会を発足しました。第二次世界大戦後、マッカーサーによる鍼灸廃止の提案を退けて、東京オリンピックから大阪万博に至る奇跡の高度成長の前夜とも言うべき昭和37年7月、社団法人の認可を得ました。それから半世紀。満50年の歳月を経て、本年4月、当会は、一般社団法人和歌山県鍼灸マッサージ師会として、新たな出発を致しました。無免許対策、療養費制度の健全な推進、そして介護保険制度への参入等、課題を満載しての船出です。仁坂知事をはじめ来賓の先生方をお迎えしてのこのよき日に、さらに強靱な連携を築く第一歩を、ここに刻みたいと思います。」
 そして当会の歴史に記念すべき一頁を刻む、仁坂吉伸和歌山県知事の祝辞。
 「本日はまことにおめでとうございます。50周年の節目のよき日に、出席をさせて頂くことができて、たいへん幸せであります。いつも皆さんにはたいへんお世話になっています。県民の皆さんの健康、あるいは心の満足も含めて、施術を続けて頂いていますし、あるいは街のご意見番として、世の中の新しいところを見据えて頂いているという気がするんです。そういう意味で今後とも期待したいと思います。実は私は、マッサージが大好きでして、時間があればどんどんやってもらいたいんですけれど…ありがたみは人一倍でございます。しかし皆さん方に頼るばかりでなく、災害時に助かってもらえるよう、きちんとやっておかないと申し訳ない。皆さんの安全を守れるように努力をして参ります。さてもうすぐ和歌山で国体が催されます。その時にスポーツマッサージが大事になってくると思います。皆さんのお力をぜひお借りしたいと考えております。本日は50周年、本当におめでとうございます。今後ますます皆さんが社会活動をされ、会も繁栄されますことをお祈り申し上げまして、私の挨拶とさせて頂きます。どうもありがとうございました。」
 このあと顧問国会議員の一人である世耕弘成参議院議員は、「昭和37年の7月法人認可ということであります。その年の11月にはたいへん重要な出来事が起こっておりまして、私が生まれたわけでございます。これから私は自分の年を思い出すときに、ああ鍼灸マッサージ師会の皆さんの法人認可何周年やな、ということを常に考えながら歩んでいきたいと思います。」とユーモアたっぷりに祝辞を述べられた。

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 祝宴はシンガーソングライターのリピート山中と息子マグマの歌でおおいに盛り上がった。練りに練った替え歌「それぞれの技」も会場の喝采を浴びた。
 ♪ 人生あつあつ すべてよし ああ鍼灸マッサージ 極上の技 ♪

〔隠白(いんぱく)〕足の親指に発し、鼠径部からお腹・胸に至る脾経の第一穴。
取穴:足親指、爪の付け根の内角。爪の内側の垂直線と付け根の水平線の交点。
治効:脾経は意欲を司る。その第一穴・隠白は末梢の冷えやしびれを一掃する。

《作者から一言》「人間50年」という如く、50年という期間は昔でいうと人の一生に相当する。私どもの会も半世紀を経てさらに意欲を高め、全会員が思いを共有し、県民の隅から隅まで貢献できる活動を展開したい。(宮本)



上は隠白の図/会の沿革を述べる著者

 ●この文書は、当会会員である、宮本年起氏の創作です。

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