漢方つぼ物語(159)
気舎(きしゃ)

〈 法人認可50周年記念行事その2〜信州バスツアー〜〉

 平成24年6月24日日曜日の朝8時、和歌山県鍼灸マッサージ師会の法人認可50周年記念ツアー参加者35名を乗せたバスはJR和歌山駅東口を出発した。台風がらみの大雨に直前まで不安を駆り立てられたのは、今回の旅行のメインが、長野県飯田市での天竜川舟下りであったからだ。しかし天候は一行を祝福した。前日まで水かさが多くて出せなかった舟が、この日から規定の水位を下回った。水量豊かで流れの急な天竜川は、ひときわスリリングな川下りを楽しませてくれた。天竜下ればしぶきに濡れる、との唄の通り、水しぶきにびしょ濡れになりながらも…。
 川下りの後、宿泊するホテルのすぐ近くで、間欠泉が硫黄臭のする温泉水を吹き上げるのを眺めた。諏訪湖間欠泉センターだ。夜は上諏訪温泉「紅や」泊。宴会から二次会まで、カラオケに興じた。行き帰りのバスの中も含めて、この旅行中に、いったい何曲の歌が歌われたことであろう。
 翌25日月曜日、今日は安曇野を訪ねる。わさび園とワイン工場を見学して、信州そばの昼食。立ち寄る先々でのショッピング。カラオケと共に、買い物の好きな一行である。帰りのバスの中、私の口上…。

 ***

 さて、一泊二日の信州バスの旅はいかがでしたか? 家に帰って「どうだった?」と尋ねられて「いっぱい食べて、いっぱいカラオケを歌ってきた」ではあいそないので、ここらで今回の旅の復習を致しましょう。50周年のお祝いの旅行なのに川を「下る」のはいかがなものか、と思ったら、その後ちゃんと勢いよく水を噴き「上げる」間欠泉を見せて貰いました。納得です。ところであの後、一人のおっちゃんが遅れて参りまして、「間欠泉、今度は何時に噴き上げるのや?」と聞いていました。「もう終わりました。本日分、完結です。」と言われて、「完結やと? ここに『かんけつせん』と書いてあるやないか」と、食い下がっておりましたよ。
 今日、朝のうちに行った安曇野の大王わさび園、広い敷地に随分たくさんのわさびが栽培されていました。とってもきれいな水が流れていましたね。わさび入りソフトクリームもおいしかったですが、わさびを育てている清流に足をつけてみませんか、というコーナーがあったのをご存じでしたか? 私、足をつけてきましたよ。冷たくて気持ち良かったです。いつまででもこうしていたいと思うほどでした。でもね、ふと横を見ると注意書きがありました。「気持ちがいいからと言って30分以上、足をつけていてはいけません。」 そう書いてあるんです。なぜだか分かりますか?
 「30分以上足をつけていると、わさびになります!」
 びっくりしたでしょう? あはは、これ、うそです。私が作ったハナシです。
 ワイン工場も、お味見できてよかったですね。ツンと効くわさびや熟成したワインのように、酸いも甘いもかみ分けた、味わいのある人生を送りたいものです。
 ところでなんといっても信州といえば、りんご。飯田市には60年近くの長い間、中学生がお世話し続けているりんご並木が有名です。50周年を経て、60周年に向けて心新たなスタートを切った私たちにぴったりな今回の旅行先でした。
 そういうわけで、「りんご尽くし」のネタで今回の旅を総括したいと思います。私が「りんごは○○に似ています」と申しますので、皆さんは「そのこころは?」と返して下さいね。では参ります。
 「りんごは、うちの会の井畑会長さんに似ています。」
 「そのこころは?」
 「芯が通っております。」
 「りんごは、鍼灸マッサージに似ています。」
 「そのこころは?」
 「医者要らずです。」
 「りんごは、このバスのガイドさんに似ています。」
 「そのこころは?」
 「一皮むけば、真っ白な玉の肌。確かめてはおりませんが…。」
 「最後に、りんごは、私、宮本に似ています。」
 「そのこころは?」
 「いっぱいタネ(ネタ)を仕込みました。」
 はい、お付き合い頂きまして有難うございます。これよりバスは一路、私達のふるさと・和歌山へと帰って参ります。

〔気舎(きしゃ)〕眼の真下から胸・お腹を経て足の第2指に至る胃経第11穴。
取穴:鎖骨の内端上部。胸鎖乳突筋という筋肉の、二つの筋頭の間に取る。
治効:今回は飽きずに歌う旅でしたが、気舎はノドを調える美声のツボです。

《作者から一言》りんご並木の飯田市に、ようやく足を踏み入れることができました。漢方つぼ物語の第78話で紹介して以来、この地は私の心の故郷であったからです。りんごの木に小さな実が成熟の時を待っていました。(宮本)



上は気舎の図/天竜船下り

 ●この文書は、当会会員である、宮本年起氏の創作です。

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