漢方つぼ物語(213)
しん会(え)

〈 太郎先生の健康教室:認知症予防法 〉

宮本:今日は人形医科大学専任教授、太郎先生にお越し頂いています。
太郎:やあ、こんにちは! 健康にかかわることなら何でも教えるよ!
宮本:待ってました、大先生! 今回は認知症予防についてお願いします。
太郎:いいとも。まず言っておくが、認知症というのは病気の名前じゃない。
宮本:あ、そうなんですか。病気の名前じゃないと言いますと?
太郎:症状の名前だな。主な原因としてアルツハイマー病がある。
宮本:ではアルツハイマー病についてお勉強させていただきましょう。
太郎:近年、研究が進んで原因となる物質がかなりわかってきたよ。
宮本:それは興味深いです! そのアルツハイマー病の原因物質とは?
太郎:「ベータアミロイド」というタンパク質が、脳の中に溜まるのが原因だ。
宮本:ベータアミロイドを溜めないためにはどうしたらいいのでしょう?
太郎:まずは夜、ぐっすり寝ること。短時間の昼寝も効果的だな。
宮本:眠っている間に、ベータアミロイドが分解するわけですね。
太郎:食べ物でいいのは、野菜・果物・お魚。ところで、運動はいいと思うか?
宮本:そりゃいいんじゃないですか? 脳の血行もよくなりそうだし。
太郎:では「徘徊老人」というのはどうだ? ずいぶん運動してるぞ。
宮本:そういわれればそうですね。運動しているだけでは、だめなんですか?
太郎:脳と連動して運動すると認知症予防に効果のあることが分かってきた。
宮本:からだの運動と連動する頭の体操の仕方をぜひ教えて下さい。
太郎:まずは暗算。楽に赤ん坊を産むのは安産、そらで計算するのが暗算。
宮本:頭で暗算をしながら運動するんですね。どんな暗算がいいですか?
太郎:100から7を順番に引いていく。100, 93, 86, 79, 72…というふうに。
宮本:なるほどね、7を引いていくというのはなかなか絶妙ですね。
太郎:もう一つ、運動しながらしりとりをする、という方法もある。
宮本:私、しりとりは得意です。やってみますよ。花、なすび、ビスケット…
太郎:そのときに、次の答えの頭に、その前に言ったものを二つくっつける。
宮本:なすび、ビスケット、それから唐辛子! ビスケット、唐辛子、椎茸!
太郎:うまいぞ。唐辛子、椎茸、ケチャップ。なんだか、はらへってきたな。
宮本:暗算やしりとりに気を取られて、車にはねられないように気を付けて。

      ***

太郎:では認知症を防ぐとっておきの方法、一・十・百・千・万を教えよう。
宮本:いち・じゅう・ひゃく・せん・まん、ですか? それは面白そうですね。
太郎:一は「一日一善」。日に一つ、善いことをする。心が積極的になるよ。
宮本:一日にご飯を一膳だけ、というのじゃないんですね。ああ、よかった!
太郎:次に十は、日に少なくとも10人の人と言葉を交わす。
宮本:お一人暮らしの方だと、家にこもっていては10人は難しいんじゃ?
太郎:「一日一善」と「10人以上の人と話す」を両方クリアする方法があるぞ。
宮本:ええっ? そんなうまいやりかたがあるなら、ぜひ教えて下さいよ!
太郎:朝、それとも午後の適当な時間帯に、子供達の登下校の見守りをする。
宮本:なるほど! 車の行き来に注意しながら、子供達に声をかけるのですね。
太郎:子供達の若いエネルギーを吸収できるし、地域への奉仕活動にもなる。
宮本:まさに一石二鳥ですね。一・十の次は、「百」ですね?
太郎:一日に百字、字を書く。筆記用具を手に手書きで書くのがお勧めだな。
宮本:日記を書くと百文字はかけますね。葉書をしたためてもいいですよね。
太郎:おう、日記はいいね。さて「千」にいくよ。「千字、読む」。これだ。
宮本:なるほど、百文字書く、の次は、千文字読む、ですか。
太郎:朝、新聞にざっと目を通すだけで千字は軽い。読書も、もちろん結構。
宮本:毎朝、新聞の見出しを、声を出して読むと良いと聞いたことがあります。
太郎:新聞を読んでいた人が、読まなくなるのは認知症のきざし。要注意だ。
宮本:日に一つ善いことをする。毎日、少なくとも10人の人と言葉を交わす。百文字書く。千文字読む。さていよいよ「万」です。
太郎:一日一万歩、歩く。歩くことは決して足腰だけの運動ではない。体全体の筋肉をバランスよく使う全身運動、老化を遅らせる最適の方法だ。
宮本:一万歩といいますと、普通に歩いて一時間半くらいかかりますよ。毎日一万歩はちょっとハードルが高いように思いますが、如何なものでしょう?
太郎:一万歩にこだわらず、五千歩でも三千歩でもよいから、毎日歩く習慣をつけることが大切だ。♪幸せは歩いてこない だから歩いて行くんだね♪って、歌の文句にあるじゃないか。
宮本:一・十・百・千・万ときたらもう一声、十万と行きましょうよ。
太郎:では認知症予防の指導料として十万円、いただこうかな!?

〔しん会(しんえ)〕尾骨〜頭頂〜顔面正中を通る督脈28穴中22番目のツボ。
取穴:頭のてっぺんの百会のツボの3寸前、前髪の生え際から2寸入った処。
治効:不眠・鼻づまりに。ぐっすり眠り、鼻の通りが良くなれば脳は活性化。

《作者からの一言》お一人暮らしの高齢者の食事会に人形の太郎くとお邪魔するときの最近の“おはこネタ”です。太郎君の白衣姿、決まってる!?(宮本)



上はしん会の図

 ●この文書は、当会会員である、宮本年起氏の創作です。

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