漢方つぼ物語(215)
陽白(ようはく)

〈 笑いの効用 〉

宮本:人形医科大学出身の名医・太郎先生が健康アドバイス。今日のテーマは?
太郎:すべての内臓の働きを良くして、全くお金のかからない健康法!
宮本:それ、いいですねえ、その健康法、ぜひとも教えて頂きたいです!
太郎:それは笑うこと。笑いは全内臓のマッサージ、どんな病気も吹き飛ぶよ。
宮本:笑うことなんか誰でも今すぐできそうですが、コツでもあるのですか?
太郎:笑うためには、顔の筋肉が必要です。なので、笑いの筋トレ、スタート!
宮本:私がモデルをつとめます。笑いの筋トレ、順を追って、お願いします。
太郎:最初に顔の造作を勢いよくはちゃける。はちゃけるって、わかるかな?
宮本:目も鼻の穴も口も勢いよくぱっと開いて、四方八方へ飛び散るように。
太郎:おう、そうそう。次は逆に顔の造作をひとつ残らず顔の中心に集中する。
宮本:目・鼻・口、全部真ん中に集めて、顔の中心に梅干しを作る感じですね。
太郎:分かりが早い! その中心に集中したのを、時計の針のように動かす。
宮本:顔の中心に作った梅干しを、上・右・下・左、それからまた上と移動。
太郎:最後にはちゃける。さあ、ご一緒に、やらなきゃそんそん、顔筋トレ。
宮本:阿波踊りみたい。確かに表情筋は鍛えられるけど、人前では恥ずかしい。
太郎:笑いの筋トレはそれくらいにして、声をそろえて、笑う練習をしよう。
宮本:それでは太郎先生が何か言ったら、「わっはっは」と笑ってくださいね。
太郎:あ・い・う・え・お、の順にいくよ。「あ」は、あなたも私も…
宮本:さあご一緒にお腹の底から「わっはっは」ですよ。(観客「わっはっは」)
太郎:その調子、その調子。次、「い」をいくよ。いつでもどこでも、わはっは。
 「う」は、内でも外でも、わっはっは。「え」は遠慮はいらない、わっはっは。
宮本:だんだんと笑い声が大きく、そして一つにまとまってきましたね。
太郎:仕上げの「お」は、オトンもオカンも、わっはっは。ようし、上出来!
宮本:いやあ、ずいぶんと盛り上がりました。思い切りお腹の底から笑うと、からだまでポカポカと温まってきました。
太郎:哲学者のカントは、代表的な著書である「純粋理性批判」の中で、笑いについて。こう書いている。“笑いは病を癒し、精神を通して肉体を治療する。”
宮本:驚きました、笑う健康法は、かの有名な哲学者・カント先生推薦です。
太郎:もう一つ笑いについてのスローガンを。“楽しいから笑うんじゃない…”
宮本:えっ? 楽しいから笑うんじゃないんですか?
太郎:“楽しいから笑うんじゃなくて、笑うから楽しくなる!”
宮本:なるほど。これも哲学者のことばですか?
太郎:これは「笑いのヨガ」の創始者でインド人医師のマダン・カタリアさんの言葉だ。笑いの本質をよく表しているな。

      ***

太郎:笑うと脳の血行がよくなって、頭の回転が良くなってくるよ。
宮本:では、どれくらい頭の回転がよくなったか、クイズを出してください。
太郎:では第一問。ある動物に羽を付けたら、空に飛んで行った。その動物は?
宮本:ええっ? 羽を付けたらどんな動物でも飛んでいきそうな気がするけど、  
 ニワトリやペンギンみたいに、羽があるのに飛べない鳥もあるしなあ…。
太郎:正解は今年の干支(えと)、羊だよ。「羊」という漢字の右に、「羽」を付けると、「飛翔」の「翔(しょう)」という漢字になるよ。羊よ、翔んでけ〜。
宮本:納得。太郎先生、新年に因んだクイズを、もう一つお願いします。
太郎:では一休さんのとんち問答仕立てで、あと一つ行こう。お城に招待された一休さん、お殿さんから大福もちをごちそうになり、こう尋ねられたよ。
宮本:わあ、面白そう! お殿様は、なんて尋ねたんですか?
太郎:「一休よ、大福もちはあんこを白い皮で包んでいるが、その皮を全然きずつけずに、中のあんこだけをキレイに食い尽くすことはできるか?」
宮本:それは無理でしょう。だって、皮を破らないと、中のあんこは一口も食べることはできませんよ。
太郎:できそうにないことを、なんとかするのが謎解きの楽しいところだ。
宮本:ストローであんこを吸い取る。どうです? 正解でしょ?
太郎:ストローの穴が開いちゃうから、正解じゃないです。
宮本:白い皮を、なにかの薬で溶かしてしまう!
太郎:あんこを食い尽くした後、白い皮が残らないといけない。不正解!
宮本:もう降参です。一休さんはいったいなんて答えたんですか?
太郎:一休さんはお殿さんにこう言ったんだ。「でっかい大福をこしらえてください。そして中にあんこを入れるときに、私を一緒に皮の中へ入れて下さい。」
宮本:スケールが大きい! 今年、皆さんに、でっかい福が来ますように!

〔陽白(ようはく)〕からだの側面を側頭部から足の先へ降りる胆経の第14穴。
取穴:瞳の中心を上っていく5穴の最初。眉中央の上1寸(親指の横幅)。
治効:顔の痛み(三叉神経痛)、頭痛、目の不調を除き、心から笑えるツボ。

《作者からの一言》笑いの筋肉トレーニングは渡部美紀先生の「10倍伝わる話し方セミナー」の中の“顔の筋肉トレーニング”より、また大福もちのクイズは多湖輝先生の「頭の体操第10集」より引用させていただきました。(宮本)



上は陽白の図

 ●この文書は、当会会員である、宮本年起氏の創作です。

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