漢方つぼ物語(240)
液門(えきもん)

〈 デイサービスあおばの里≠ノて 〉

 平成28年、節分の昼下がり、和歌山県海南市のボランティアグループなかよし会≠ニご一緒に和歌山市内のデイサービスあおばの里≠訪問した。
 まずは利用者の皆さんと歌を歌う。この季節に合わせて最初の曲は「たきび」をピアニカの演奏で。「松の木小唄」、「お富さん」と楽しく合唱。私もカラオケで一曲。鳥羽一郎の「兄弟船」だ。ナレーションから。
「怒涛(どとう)逆巻く真冬の海を今日も漕ぎ出すあの船は、親父の形見、兄弟船よ。星野哲郎・作詞、船村 徹作曲、兄弟船です。」
 一味違うのは、間奏でオリジナルの台詞が入るところ。1・2番の間で、
「おい兄貴、あの女は俺が先にツバ付けたんだからな、横からちょっかいかけないでくれよな。」「なんだと! それが兄貴に向かっていう言葉か!」
 更に2番と3番の間のナレーションで、テンションは最高潮に達する
「兄貴、今日はすげえ大漁だぜ!」「おう、おふくろさんの喜ぶ顔が瞼に浮かぶぜ。巻け、巻け、巻けえ、もっと巻けえ!」
 この後、なかよし会のレギュラーメンバーによる踊りにマジックと続き、トリは私の腹話術だ。

***

敏企「まずはとびっきり可愛い、この子からです! おととい産まれたばかりの赤ちゃん。まだ名前もついてないし、男の子か女の子かもよう分からん。」
赤ん坊「(耳元で)ほぎゃ、ほぎゃ」
敏企「ええっ? みなさんにご挨拶したいって? 言葉もようしゃべらんのに、ちょっとむりちゃう?」
赤ん坊「(右を向いて)ほぎゃほぎゃ(左を向いて)ほぎゃほぎゃ(正面を向いて)ほぎゃほぎゃほぎゃあ(おじぎする)」
敏企「あれまあ、いっかどご挨拶しましたね。え? 芸をしたい?」
赤ん坊「(舌を出して)べろべろ(さらに舌の先で鼻の頭をなめる)」
敏企「これは驚きました。みなさん、こんなことできます? 赤ちゃん、お疲れさん。次は花子ちゃんの登場です。花子ちゃん、このごろどんなことしてるの?」
花子「わたしね、“毎日を楽しく過ごすあいうえお”って言うのを考えたのよ。」
敏企「へーえ、それ、面白そう。順番に教えてくれる?」
花子「いいよ。まず、“あ”は、会いたい人に会いに行く!」
敏企「それはいいね。花子ちゃんの会いたい人はだれですか?」
花子「嵐に決まってるでしょ! 桜井 翔くんよ。次に、“い”は、行きたいところへ行く!」
敏企「花子ちゃんの行きたいところは?」
花子「ディズニーランドよ。“う”はね、歌いたい歌を歌う!」
敏企「では、花子ちゃんのおはこを聞いてもらいましょう!」
花子「それはおいといて、次、“え”は、遠慮なくおしゃべりする!」
敏企「うんうん、それはストレス解消になるね。」
花子「でしょ。最後に、“お”は、おいしいものを食べる!」
敏企「食欲で締めくくるところがよくできてるねえ、感心したわ!」
太郎「ねえねえ、太郎も“あいうえお”、考えたからきいてよ。」
敏企「わあ、太郎君いつの間に出てきたの? びっくりしたなあ。では、太郎君版の“楽しく過ごすあいうえお”をきかせてもらおうか。」
太郎「“あ”は、あくびしたいときに、おおあくびをする。」
敏企「太郎君らしいな。次、“い”は?」
太郎「いびきかきたいときに、おおいびきする!」
敏企「あくびの次はいびきかいな。まあええわ、“う”へいこう。」
太郎「ウンコしたいときに、でっかいウンコする!」
敏企「なるほど、ぐっすりねて、いびきかいて、仕上げはウンコか。快眠・快便っちゅうわけやな。“え”は?」
太郎「エッチしたいときにエッチする!」
敏企「それ、どうよ? 最後の“お”は?」
太郎「怒りたいときに、顔を真っ赤にして思いっきり怒る!」
敏企「太郎君、テンションが上がり過ぎ、興奮し過ぎのようなので、今日はこれくらいでごぶれいいたします。どうもありがとうございました。」

〔液門(えきもん)〕薬指に発する、調整力の高い三焦経23穴中2番目のツボ。
取穴:薬指と小指の間の水かきで、掌側の白い皮膚と手の甲側の皮膚との境目。
治効:頭に血がのぼり興奮したとき鎮静する。親指と人差し指でつまむと良い。
《作者からの一言》先日、仕事仲間とのカラオケで「セリフ入り兄弟船」を歌ってナント96点!すると皆が「でかい声出すから採点器がこわれた!」(宮本)



上は液門の図/老人施設訪問

 ●この文書は、当会会員である、宮本年起氏の創作です。

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