それぞれの治療、また、それぞれの治療に用いる器具や材料・消毒の方法などについて、具体的に説明いたします。
鍼治療は、鍼師によって経絡(つぼの筋)の状態が診察されたうえで、経絡上のつぼ(経穴とも言う)に細い鍼を刺入または、鍼で刺激を与える治療です。病気の種類や状況、患者さんの体質によって、鍼の種類や治療法が異なります。
●鍼治療の適応
鍼治療に適した病気・症状としては、各種神経痛・頭痛・片頭痛・リウマチ・頚腕症候群・五十肩・腰痛、関節痛・婦人科疾患・冷え性・消化器疾患などです。
非適応症としては、各種の感染症や悪性腫瘍・外科手術を要するものなどです。
●鍼の治効メカニズム
鍼の効果については多くの研究が行われていますが、経絡・経穴(けいらく・けいけつ)についての解明が不十分なため、まだ理論的な解明はなされていません。痛みの機序に関する学説として提唱された「ゲートコントロール説」に照らし合わせて、「鍼による鎮痛作用は局所作用として、痛みのインパルスが、鍼を刺した周辺部で遮断されることによると考えられ、また鍼刺激による求心性インパルスは痛みの伝導路、脊髄視床路を上行して、中枢で下行性抑制が働く」ため、痛みの情報が遮断され、鎮痛効果が得られます。上記のメカニズムから、疼痛部に直接鍼を刺す方法と、疼痛部と同じ脊髄分節上に鍼を刺して、効果の得られる方法の二とおりの方法があります。
鍼治療は不快な感覚もなく、副作用もきわめて少なくて、治療の効果が得られるすぐれた治療法です。